【ニュース】 中東地域の紛争によるグローバル市場の不安定化

グローバルな規模で苦戦を強いられているマネージド・フューチャーズ・ファンド スーパーファンドも例外ではなく不利な市場環境によって影響を受けている

テクニカル分析に基づく世界中の数多くのトレーディング・システムは、2005年11月から2006年4月にかけて比較的高いリターンを達成した後、極めて不安定な市場動向を原因とするドローダウン(資産価額の一時的な下落)に見舞われています。グローバル市場の不安定性は、ここ数週間のうちに中東地域で勃発した紛争によってさらに拍車をかけられました。

2005年11月から2006年4月までの6ヶ月間については、有利な市場トレンドによる良好なトレーディング環境によってスーパーファンドを含む数多くのマネージド・フューチャーズ・ファンドが恩恵を受け、比較的高いリターンが実現されました。この時期には世界の市場が通常のトレンドを維持し、テクニカル分析に基づくトレーディング・システムにとって理想的な条件と環境が提供されました。しかしながら、2006年5月以降は世界中の数多くの市場で変動性と不安定性が大幅に高まった結果、スーパーファンドのトレーディング・システムは影響を受けました。

5月の初旬から中旬にかけて世界の株式市場が下落したため、スーパーファンドの各ファンドでは様々なロング(買い)ポジションを閉じて、以降の利益追求をあきらめました。スーパーファンドのトレーディング・システムは、株式市場のさらなる下落を見込んでショート(売り)ポジションを新たに開きました。実際の株式市場は6月後半に回復を見せた後、7月中旬には再び下落しました。したがって、7月は6月と同様に明確な市場トレンドが見られない状態で月末を迎えました。

金利市場でも株式市場と同様に変動性が高まりましたが、株式市場とは逆方向の動きとなりました。

スーパーファンドの各ファンドは、金市場でポジションを取ることにより、5月の中旬まで持続的なトレンドを利用することができました。しかしながら、6月以降は金市場のトレンドが反転したため、ロスカット制限に従って金市場でのポジションを閉じました。5月の高値から6月の安値まで金の価格は23%下落しました。7月には金市場で新たなポジションを取りましたが、これらのポジションは若干の損失または損益なしの状態になっています。

ここ最近、中東地域(レバノン、ガザストリップ)で勃発した紛争は、テクニカル分析に基づくトレーディング・システムに対して全般的な悪影響を与えました。エネルギー市場は強い上昇を続けました。原油は1バレルあたり80米ドルの史上最高値に達した後、現在は75米ドル付近に後退しましたが、持続的なトレンドは明確には現れていません。天然ガスは温暖な気候とハリケーン・シーズンの到来を背景として25.4%上昇しましたが、最近は上昇基調に若干の鈍化が見られます。エネルギー市場全体はいまだに変動性が高く、明確なトレンドを欠いています。

穀物も高温気候と収穫予想に基づいて最初は9%ほど上昇しましたが、米国における降雨量の増加のために市場のトレンドが反転し、穀物価格は下落しました。

ところで、ここ3ヶ月ほどのドローダウンは驚くべき事態なのでしょうか?

スーパーファンドのテクニカル分析型トレーディング・システムを開発したクリスチャン・ハルペルは、現在の市場環境を分析しながら次のように説明します。

「ドローダウンは決して異常な現象ではなく、さらには統計的観点から予測できる場合もある。我々はドローダウンが再帰的に発生する理由を理解しなければならない。」

また、スーパーファンドの創立者 クリスチャン・バハは現在の状況について次のように語ります。

「最近の予想できない政情不安のために、各市場はテクニカル分析に基づく予測に反して動いている。」

スーパーファンドのマネージド・フューチャーズ・ファンドは、中長期の期間で良好なリターンをもたらすように意図された長期投資商品です。ドローダウンは投資パフォーマンスにとって不可避の要素であり、複数の異なる状況や要因から発生する可能性があります。

1. 勝者と敗者:トレーディング・システムは、短期的な変動から生じるために直ぐに反転する偽のトレンドに対してポジションを取ってしまうことがあります技術的に洗練された高度なトレーディング・システムであっても、短期的な単なる市場変動と利益を生む真の市場トレンドを初期段階で区別できない場合があります。市場において明確なトレンドが認識できない所謂「ボックス圏相場」であっても、誤解を招く偽のトレンドが頻発する可能性があります。実際には、ボックス圏相場では利用可能な真の市場トレンドがほとんど発生しないため、利益を得る機会は非常に少なくなります。ボックス圏の動きが数多くの市場で同時に発生する場合が問題です。そのような場合は勝者の数に比べて敗者の数が増加するために、大きなドローダウンが生じることになります。ここ数ヶ月間は正にこのような状況が続いているのです。

2. 慎重にポジションを開くシステム:他のトレーディング・システムと違って、スーパーファンドのトレーディング・システムは利益を得る確率が高いと判断した場合のみ新しいポジションを開きます。このシステムに固有の弱点は、一部の有利なトレンドを逃す可能性があることです。

3. 高い短期ボラティリティ:2006年はコモディティ市場において非常に高い短期ボラティリティが観察されています。全般的に、持続的なトレンドが発生するのではなく、単に価格の上下運動が続いていると言えます。このような異常な価格変動の結果、スーパーファンドの各ファンドでは、利益を実現できる前にポジションを閉じてしまう状況が頻発しています。